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これまでCPUやGPU、メモリ、電源の重要性を紹介する記事を作成してきましたが、それらに負けないくらい重要なのが今回紹介する「ストレージ」です。
どうしても容量に注目しがちなストレージですが、実は種類によって読み書きの速度や寿命をはじめとする特徴は大きく異なっています。当然、目的や用途に応じて選ぶべきストレージというものも変わってきます。
今回はそんなストレージについて初心者の方に向けて解説していきます。なるべく分かりやすい表現を心がけていきますのでぜひ最後までお付き合いください!
CPUには高価格帯モデルにも搭載される「Core i7-14700F」、GPUには最新の3Dゲームも十二分に遊べる「RTX 4060 Ti 8GB」を搭載。20万円を切るモデルながらメモリ32GB、1TB SSDもしっかり搭載した高コスパモデルです。
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元・MMORPG GM担当
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当していました。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。
現在、デスクトップPC向けとして広く流通しているストレージは大きく分けて「HDD(Hard Disk Drive)」と「SSD(Solid State Drive)」の2種類があります。
このうち「SSD」はさらに接続方法によって「SATA SSD」と「NVMe SSD」の2種類に分類されます。この「SATA SSD」と「NVMe SSD」は一見同じSSDのようにも見えますが、同じ名前を冠していても実はその特徴や性能が大きく異なっています。
そのため今回の記事でも「HDD vs SSD」ではなく、「HDD vs SATA SSD vs NVMe SSD」というような三つ巴の形で紹介を進めていきます。
それではまずは具体的にそれぞれの違いについて見ていきましょう。
HDD | SATA SSD | NVMe SSD | |
---|---|---|---|
価格 | |||
転送速度目安 | |||
交換目安 | |||
弱点 | 機械の摩耗 外部からの衝撃 | 書き込み回数の制限 | 書き込み回数の制限 |
最適な用途 | バックアップ データ保管 | PCゲーム OSの起動 | PCゲーム 動画編集 |
最もバランス型なのは真ん中のSATA SSDですが、「安さ」を求めるか「性能」を求めるかによってHDDやNVMe SSDも検討の余地があることがわかります。
この中のどれかが普遍的に一番というわけではなく、どんな用途で使うのかによって最適なストレージの選択肢も変わってきます。
ここからはそれぞれのストレージの特徴やメリット・デメリットについて掘り下げていきます。
HDDとは
HDDは昔ながらの磁気ディスクにデータを保存するタイプのストレージです。「ヘッド」と呼ばれる部分で磁気ディスクのデータの読み書きを行う仕組みとなっています。
ヘッドだけでなくモーターや軸受けなど物理的に動作するパーツも多いため、熱や衝撃などによって各部品が摩耗・劣化することでHDDの寿命がやってくることになります。壊れるパーツによってはデータ復旧ができなくなることもあります。
【メリット】とにかく安い価格で大容量のものが手に入る
HDDの一番のメリットは安い価格で大容量のものが手に入ることです。
近年は8TBの大容量のものでも2万円を切る価格で販売されていて、他のストレージの追随を許さない圧倒的なコストパフォーマンスの高さを誇っています。
もし同じ8TBのものをNVMe SSDで買おうとすると10万円を超えてくることも…
HDDはその価格の安さを活かして、動画ファイルなどの大容量データや、バックアップデータを保管する用途に向いています。頻繁に編集するデータであればデータの転送速度の方が重要になりますが、「保存・保管」が目的となる場合は、読み書きの速度よりもストレージ自体の容量を重視した方がコストパフォーマンスは高くなります。
たとえばクリエイターの方であれば完成した成果物や納品物のデータをHDDに保管したり、ゲーマーの方であればキャプチャーした画像や動画を保管したりといった具合です。単体ではさほど容量が大きくなくても積み重なって大きくなるものを、HDDに保管するようにするとうまく使い分けられるかもしれません。
また、前述した通り基本的に衝撃に弱く、使えば使うほど寿命も縮んでいくのですが、安定した環境下であればデータの長期保存にも適していると言われています。
【デメリット】転送速度が遅く、外部からの衝撃に弱い
SSDに比べて転送速度が遅いことが一番のデメリットです。データの読み込みはもちろん書き出しにも時間がかかるため、頻繁に読み書きを行うデータの保存にはあまり向いていません。
具体的には、動画編集やPCゲームのインストール先としてはあまり向いていません。特にオープンワールドのゲームなどは読み込みが頻繁に発生するため、多くのゲームの推奨動作環境にもある通り、SSDにインストールすることが推奨されています。
とはいえ私は昔からHDDにゲームを入れていますがプレイできないというほどではありません。ただ、モンハンワイルズだけはHDDだと明確にロードの遅さを感じました。
また、物理的に動いているパーツが多いので、衝撃や振動によって壊れやすいというのもデメリットのひとつです。そもそもPC自体が精密機械なので衝撃には日頃から気をつけるべきですが、HDDを搭載している場合はなおさら注意が必要です。
SATA SSDとは
SATA SSDはSSDの中でも特にSATA(SerialATA)接続という方式で接続されるストレージのことを指します。箱型の2.5インチとプレート型のM.2規格の2種類があります。
2.5インチタイプは↓の写真の上部にあるようなストレージ枠に入れて、ケーブルでマザーボートにつなぐタイプ。
一方で、プレート型のものは↓の写真の下部に写っている紫色のものです。小型でマザーボードに直接はめこむようにセットできるため、余分な配線が必要なく、PCケース内をすっきりさせることができます。
ちなみにプレート型の方が読み書きが小型で速そうに見えるかもしれませんが、同じSATA接続を採用している場合は速度には大きな違いはありません。
このマザーボードに直接設置するプレート型のSSDのことを「M.2 SSD」とも呼びます。
【メリット】比較的安い金額で速い転送速度が得られる
SATA SSDのメリットはHDDよりも速い転送速度を、NVMe SSDよりも安い金額で得られることです。
ただ、近年はNVMe SSDの金額が下がってきているほか、新品のゲーミングPCに搭載されているSSDもNVMe SSDが増えてきているため、いまあえてSATA SSDを選ぶメリットというのは薄くなりつつあります。
ただ、依然として価格は安めなので費用を抑えて増設したい方にはおすすめ。容量1TBのもので比較すると、SATA SSDの方がNVMeよりも2000〜3000円程度安く手に入ります。
【デメリット】どっちつかずの性能になりつつある
上記メリットは裏返せば、良くも悪くも中途半端というデメリットにもなります。
以前は2.5インチタイプのSATA SSDが標準搭載されているゲーミングPCも多かったのですが、近年はNVMe SSDも以前よりは手に入りやすい価格になってきており、今や10万円前後のエントリーモデルにもNVMe SSDが搭載されているような状況です。
もちろんHDDに比べるとSATA SSDの方が転送速度は優秀ですが、NVMe SSDとの価格差が縮まってきている以上、費用を抑えたいなどの明確な目的がない限り、NVMe SSDの方がより良いゲーム環境が整えられるのでおすすめです。
NVMe SSDとは
NVMe SSDとはSSDの中でもNVMe(Non-Volatile Memory Express)という方式で接続されるSSDのことをいいます。
プレート型のSATA SSDと同じような形状をしていますが、SATA SSDと比べて転送速度が10倍以上向上している超高速のストレージです。現在の新品のゲーミングPCにはだいたいこのSSDが搭載されています。
NVMe SSDはさらにPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)という規格のどの世代に対応しているかによって転送速度が変わります。現在はPCIe 3.0(Gen3)やPCIe 4.0(Gen4)が主流で、PCIe 4.0に対応していると理論上は最大7GB/s以上の転送速度が実現可能となります。
ただ、マザーボードのPCIe 4.0スロットはグラフィックボードで使われていることも多いため、NVMe SSDを増設する際はマザーボードの仕様を事前に確認しておく必要があります。
色々単語が出てきましたが、はじめのうちはNVMe SSDは「数字が大きければ強い」ということがわかればOK!ちなみに最近はPCIe 5.0に対応したSSDも出回りはじめています。
【メリット】とにかくデータの転送速度が速い
NVMe SSDの一番のメリットはとにかくその転送速度の速さです。
PCIe 3.0対応のもので転送速度は理論上3〜4GB/s、4.0なら7GB/s以上と、HDDやSATA SSDとは一線を画す圧倒的な転送速度を誇ります。WEB上からデータをダウンロードする際は回線速度がボトルネックとなる可能性が高いですが、ゲーム中にストレージ内のゲームデータを読み込んだりストレージ間のデータを転送したりする際などは非常にスムーズになります。
【デメリット】価格が他のストレージと比べて高い
基本的に価格が高めというのがNVMe SSDのデメリットです。
たとえばAmazonならSamsungの2TBのものが2万円程度で売られていますが、2万円もあればHDDなら8TBのものが購入可能です。
また、NVMe SSDは他のストレージと比べて発熱量が大きいというデメリットも持っています。
これはデータの転送速度の速さが招く問題で、ゲームや動画編集などで大容量のデータを処理する際にSSDの温度が一時的に高温になってしまうことがあります。それに伴ってPCケース内の温度も上がってしまうため、用途によってはしっかりとヒートシンクをセットしたりなどの対策が必要になります。
SSDは「システム用」と「データ用」で2台に分けるべき?
今は「特に分ける必要はない」という説が主流になっています。
かつてはあまり頻繁にデータの書き込みを行うと、SSDの書き込み回数の限界値(P/Eサイクル)に達してしまい、それ以上そのSSDが使えなくなってしまうという問題がありました。
システムデータが動かせなくなるとそもそもOSを起動させることができなくなってしまうため、その対策として、少し前まではシステム用とデータ用でストレージは分けるべきという説が主流になっていました。
ただ、近年は技術の発達によりこの「P/Eサイクル」の上限値が増えてきているため、書き込み回数の上限に関しては気を使う必要はほとんどなくなってきているため、1台のSSDですべてのデータを保管するというのもアリです。
といいつつ実は私もここ最近までずっと2台で使い分けていました…「システム用」のSSDだけ空き容量がたくさん……
PCゲーム用ならどの種類のストレージがおすすめ?
最低でもSSD、できればNVMe SSDがおすすめです!
PCゲームをするならNVMe SSDがおすすめです。
ゲームデータの読み込みが速くなるので、ストレージに起因するロード時間やカクつきを少なくすることができます。
予算を節約したい方は2.5インチタイプのSSDでもOKです。
正直わざわざHDDを買う意味ってもうない?
バックアップ用途としてはまだ十分に活躍できます!
日常使いのストレージとしてはSSDの方が良いですが、バックアップや大量のデータを保存する用途としてはまだHDDがおすすめです。
理由としては安価で大容量のものが手に入ること、バックアップであればデータの転送速度はあまり問われないことなどが挙げられます。予算に余裕があるなら大容量のSSDでも良いですが、コスパを考えるのであればHDDに軍配が上がります。
今回はストレージについて紹介しました。
私も実はこれまでHDDとSATA SSDを併用していたのですが、最近のPCゲームともなるとさすがに読み込みに時間がかかったり、ストレージが原因のカクつきなどが目立つようになってきています…。
せっかくなのでこれを機にストレージを入れ替えようと思い先日NVMe SSDを購入したので、また機械があればそちらも紹介できればと思っています。
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