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「Core i7-14700F」みたいにCPUの型番の末尾に付いてるFって何?
そんな疑問にお答えするのが今回の記事です。
FだのKだのXだのGだの、末尾についてくるアルファベットがたくさんありますが、フタを開けてみれば実はそこまで難しい話ではありません。
ちゃちゃっと解説していきましょう!

ゲームPCラボ管理人
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当していました。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。
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末尾のFは「内蔵GPUなし」のモデルを指している
Intel製CPUの末尾に付いているFは「内蔵GPU」が搭載されていないことを示すアルファベットです。

Fは”Free”のFっぽいですが、公式に明言はされていないようです。
たとえばミドルハイクラスのゲーミングPCによく搭載される「Core i7-14700」と「Core i7-14700F」を例に挙げると、前者が内蔵GPUあり、後者が内蔵GPUなしのCPUということになります。
「内蔵GPU」については下記記事の中ほどでも詳しく解説していますが、簡単に言うと、CPUの中に組み込まれている「映像を描画するパーツ」のことです。性能は最新のGPUには遠く及びませんが、簡単なゲームや映像であれば内蔵GPUだけでもある程度は描画することができます。
まあそもそもグラボを搭載していない家庭用PCや事務用PCはこの内蔵GPUでモニターに映像を映しているわけですからね。
ただ、それは裏を返せば、映像を出力するためにはCPU内蔵型であれグラボであれGPUの存在が不可欠であるということにもなります。
つまり、PCは「内蔵GPU」「内蔵GPU&グラボ」「グラボ」のいずれかの構成を取っていることが大原則で、内蔵GPUもグラボもないPCにはできないということです。そのため、いくら性能の高いF付きのCPUであっても、グラボ非搭載の事務用PCに搭載した場合はモニターに映像を映すことはできません。
さて、先ほど「性能は最新のGPUには遠く及ばない」と書きましたが、これはつまりGPUを搭載している場合、基本的に「内蔵GPU」の出番はないということにもなります。ここでミソになるのが、「基本的に」という部分です。全くないというわけではありません。
では、ゲーミングPCで「内蔵GPU」が活躍する場面というのは、どのような場面なのでしょうか?
その代表例が「グラボが故障したとき」です。
グラボが故障しても「内蔵GPU」が生きていればモニターに映像を映し出すことができます。内蔵GPUが搭載されていないPCでグラボが壊れたら何も映らなくなります。

このメリットを鑑みて、F付きのCPUを避ける方も結構います。内蔵GPUがあるぶん無印の方がちょっと高いですが、内蔵GPUがあるだけで故障時のトラブルシューティングの効率は上がります。
ぶっちゃけ無印とF付きだとどっちがいいの?
これは簡単です。

以上です。
トラブルシューティングうんぬんの話にもちょろっと触れましたが、グラボにトラブルがあると分かったところで自分で修理ができないとそんなに意味がありません。
自分でパーツを選んで交換までできるならいいですが、メーカーに点検や修理をお願いする想定の場合、そもそもCPUにFがあろうがなかろうが大差ありません。自分の選択に自信を持って安い方を選びましょう。
グラボなんてよっぽどハズレを引くか、よっぽど酷使でもしない限り、急に何も映らなくなるレベルで壊れることはめったにありません。壊れる前に次に買い替える方がほとんどなので、無理に頑張ってFなしのモデルを探す必要はありません。

あとはFの方が基本的にちょっと安いので「なるべく安い方がいい」という人もFだと思います
Intel製のCPUにはFの他にも様々な末尾アルファベットが付きます。
今回はそんな中でもデスクトップ向けで比較的よく見かける「K」「S(もしくはKS)」「T」について解説します。
「K」はオーバークロック対応モデル
「Core i7-14700K」や「Core Ultra 7 265K」などの末尾Kは、オーバークロック対応モデルのことを指しています。

ちなみにKは”unlocKed”のKという説がありますが、こちらも特に明言はされていません。
オーバークロックとは、CPUを標準の設定を上回る周波数で稼働させることで、これによって本来の性能を上回る処理能力を発揮させることが可能になります。動画のエンコードなどで一時的に処理性能を引き上げたい場合などに便利な機能だったりします。
ただ、オーバークロックはノーリスクで行えるわけではありません。性能を底上げすると当然そのぶん消費電力も発熱量も大きくなるほか、それに耐えうる「大容量の電源ユニット」と「冷却性能の高いCPUクーラー」も必要になります。BTOパソコンであればそのあたりも考慮された構成になっていることが多いですが、自作PCでK付きのCPUを取り入れたい場合などは、特に全体的なパーツ構成にも注意を払う必要があります。

とはいえ勝手に発動するものではないので、オーバークロックしなければ普通にKなしモデルと同じようにも使えます。使う場合には注意が必要ってことですね。
「S」は性能をより高めたモデル
「Core i9-14900KS」などの末尾Sは、性能をさらに高めたモデルのことを指しています。だいたいKとセットでKSという表記になっていることが多いです。
具体的に何が高くなっているのかというと、Sなしのモデルよりも周波数が高くなっています。それに伴って消費電力も大きくなっています。劇的な性能向上が見られるというわけではありませんが、より高い性能を追い求める方はこのS付きモデルを狙ってみるのもアリかも。

無印→Kと比べてK→KSの性能差は小さめ。金額に対するコスパはそこまで高くないです。
「T」は省電力モデル
「Core i9-12900T」などの末尾Tは、消費電力を抑えたモデルのことを指しています。
たとえば「Core i9-12900」と「Core i9-12900T」の消費電力を比較すると下表のようになっています。
Core i9-12900 | 65W |
Core i9-12900T | 35W |
消費電力が少ないぶん発熱量も少なくなるので、排熱効率の悪いミニゲーミングPCなどに搭載されることが多いモデルです。
基本的にBTOのゲーミングPCに搭載されることはほとんどありませんが、Tが付いているモデルはTなしモデルよりも若干性能が落ちるので注意が必要です。
ちなみにAMD製のRyzenなどにも末尾アルファベットが付きます。こちらはIntelの命名ルールとは異なります。
こちらもデスクトップ向けで比較的よく見かける「X」「X3D」「G」について解説します。
「X」は性能も消費電力も高いモデル
「Ryzen 7 7700X」などの末尾のXは、性能も消費電力も高いモデルを指しています。
周波数が高いので基本的には無印よりもX付きモデルの方が性能が高いと考えて問題ありません。また、末尾にXTが付いたモデルもあって、こちらはX付きの性能をさらに高めたモデルとなります。

ちなみにAMDはGPUも同じような命名規則で「Radeon RX 7800 XT」といった具合ですが、XTXとかいうXが2つ付いたものも出てきます。
「X3D」はゲーミング性能が特に高いモデル
「Ryzen 7 9800X3D」などの末尾のX3Dは、ゲーミング性能に特化したモデルを指しています。
X3D付きのモデルには「3D V-Cache」という技術が活用されており、高い効率でゲームデータを処理することが可能です。それが結果的に高いフレームレートに繋がったり、その高いフレームレートを維持できるようになったりなどにつながります。
少し値は張るものの、PCゲーム用途でCPUを選ぶなら今はこのX3D搭載モデルにしておくのが非常におすすめです。

いまゲーム用途では最強と言われている「Ryzen 9 9950X3D」もこのX3Dシリーズです!
「G」は内蔵GPUを搭載したモデル
「Ryzen 7 5700G」などの末尾のGは、内蔵GPUを搭載したモデルを指しています。
Ryzen 7000シリーズ以降は内蔵GPUが標準で搭載されていますが、5000以前は基本的に内蔵GPUが搭載されていなかったため、それを補完するための末尾Gモデルが存在しています。
ただ、IntelのF付きCPUの解説の項でも触れましたが、グラボを搭載したPCならわざわざG付きのCPUを選ぶ理由はさほどありません。

Intelは”F”が付くことで内蔵GPUなしになり、AMDは”G”が付くことで内蔵GPUありになります。
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