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ゲーミングPCを購入する際のカスタマイズ画面で見かける「CPUグリス」という項目。よく解らないし、追加料金もかかるから標準のままにしているという人も多いはず。しかし調べてみると、負荷のかかりやすいゲーミングPCにおいては結構重要な要素だったりするのです。
今回はそんなCPUグリスの効果や種類、メンテナンスのタイミングなどを解説。さらに「CPUグリスを重視する派」と「CPUグリスならなんでもいい派」の意見も併せて紹介していきます。

【監修者】ゲームPCラボ管理人
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当していました。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。

【執筆者】ゲームPCラボ ライター
ベル塚ベル
ゲーム関連の雑誌・書籍、そしてWebサイトを中心に執筆活動を行うフリーライター。生粋のゲーマーであり、仕事もプライベートもゲーム三昧。
Steamで頻繁にゲームをプレイすることから、ゲーミングPCにも精通しています。その知識と経験を活かし、読者の皆さんがより快適にPCゲームを楽しめるような情報をお届けします。
CPUには高価格帯モデルにも搭載される「Core i7-14700F」、GPUには最新の3Dゲームも十二分に遊べる「RTX 4060 Ti 8GB」を搭載。20万円を切るモデルながらメモリ32GB、1TB SSDもしっかり搭載した高コスパモデルです。
円高による影響で値下げされたため、いまが非常にお買い得なタイミングとなっています!
皆さんが最も気になるのは、CPUグリスによってどれくらい温度が変わるのかという点でしょう。ズバリここではその疑問にお応えします。
どのCPUグリスを選んでも劇的な差はない!

通常のゲーミングPCであれば、標準搭載のCPUグリスのままでも十分です。
一般的に、熱伝導率の高いシルバーやダイヤモンドなどのグリスを使用すると、シリコングリスと比較してCPUの温度が数℃下がると言われています。とはいえ、劇的に冷却性能を高められるわけではないため基本的にはシリコングリスを選んでおけば十分な冷却性能が得られます。
予算が余ってたり高性能PCを使うならダイヤモンドグリスもあり
ただ、数℃程度の差とはいえ、高価なCPUグリスの方が冷却効果が高いのは事実です。
高い負荷がかかっている時には、このわずかな数℃の差が重要になることもあります。そのため予算に余裕がある場合や、ハイエンドのゲーミングPC・クリエイター仕様の超ハイスペックなモデルなどを使用している場合は、ダイヤモンドグリスを選ぶのも選択肢の一つと言えます。
CPUから発せられた熱の冷却効率を上げる

CPUグリスは粘性の高い液体で、CPUの冷却を助けるための役割をもつものです。上の写真のように注射器のようなケースに入っているのが一般的で、使用するときはグリスを押し出してCPUの表面に塗りつけます。

「放熱グリス」や「CPU冷却グリス」など、幅広い呼び名がありますが、今回の記事ではもっとも目にすることの多い「CPUグリス」という名称で統一します。
ちなみに、CPUから効率よく熱が伝わってこないと、CPUのサーマルスロットリングが作動し、制御・演算のパフォーマンスが低下してPCでの作業に大きな影響を与えます。またCPUに何度も大きな負荷がかかることで、寿命が短くなる恐れも…。
それを避けるため、CPUを冷却し最高のパフォーマンスを維持する役割を担っているのが「CPUクーラー」で、その効率を上げる役割を担っているのが「CPUグリス」です。

ちなみに昔は熱暴走によって、CPUが焼けて破損することもありましたが、現在はサーマルスロットリングのおかげで、そのような事態が起こることは基本的にありません。

サーマルスロットリングはSSDにも搭載されています。同じように、一定の温度を超えるとデータ転送速度を落として発熱を抑えます。
CPUやCPUクーラーについては下記の記事でも詳しくまとめているので、もう少し詳しく知りたいという方はぜひこちらも併せてご覧ください。
CPUグリスには、カッパーグリス、液体金属グリス、セラミックグリスなど、様々な種類がありますが、ここではゲーミングPC販売サイトでよく見かける「シリコングリス」、「シルバーグリス」、「ダイヤモンドグリス」の3つについて解説していきます。
ちなみに、熱伝導率の単位は「W/(m・K)(ワット毎メートル毎ケルビン)」です。この数値が高いほど、熱を効率的に伝えることができます。下記に熱伝導率をわかりやすく伝えるために、種類ごとの大まかなW/(m・K)を記載していますが、あくまで目安としてください。
シリコングリス | 約1~5W/m・K |
シルバーグリス | 約5~10W/m・K |
ダイヤモンドグリス | 約10~17W/m・K |
シリコングリス

もっともスタンダードで低コストなグリス
安価で汎用性が高いグリス。
ゲーミングPCを購入する際、標準(無料)で選択されているグリスの多くは、このシリコングリスです。販売サイトによっては「ノーマルグリス」と呼ばれることもあります。熱伝導率は控えめでおよそ1~5W/m・Kです。
シルバーグリス

高い熱伝導率を誇る強力なグリス
微細な銀の粒子が含まれているグリス。
シリコングリスよりも価格が高い代わりに熱伝導率が高く、効率よくCPUクーラーに熱を伝えられるのが大きな魅力です。熱伝導率はおよそ5~10W/m・Kです。
ダイヤモンドグリス

シルバーグリスよりもスムーズに熱を伝達
ナノダイヤモンド粒子が混ぜ込んであるタイプ。
熱伝導率が高く、シルバーグリスよりもさらに効率よく熱を伝えることができます。熱伝導率はおよそ10~17W/m・Kです。
2~3年経ったらグリスを塗り直す
CPUグリスは、一般的に2~3年に1回程度の塗り直しが推奨されています。
メーカーによっては、PC組み立て時に使用したグリスの残りを製品に同梱している場合がありますので、それを利用すると良いでしょう。もし手元にない場合は、家電量販店やオンラインショップなどで購入しましょう。
CPUグリスは比較的安価に入手でき、高価なダイヤモンドグリスでも1,000~2,000円程度で購入可能です。容量も十分にありますので、一度購入すれば、しばらく買い替える必要はないでしょう。
ちなみに、CPUグリスには導電性のものと絶縁性のものがあります。導電性のグリスが周囲の電子機器に付着した場合、ショートを引き起こし、故障の原因となることがあります。一方、絶縁性のグリスはそのような心配はありません。CPUグリスの塗布に慣れていない場合は、絶縁性のものを選ぶと安心です。
塗り直しの際は古いグリスをしっかりと取り除く
グリスの塗り直しの際は、精密機器向けのアルコールを含んだウェットティッシュなどを使い、以前塗られていたCPUグリスを丁寧に拭き取りましょう。
その後、CPUの中央にグリスを適量垂らし、ヘラなどを使って薄く均一に塗り広げます。塗り終わったら、CPUクーラーなどを元の状態に戻せば完了です。
不安な場合はPC修理店や購入店に依頼するのもアリ
手順だけを見ると簡単そうに思えますが、PCケースを開ける作業や、CPUグリスの塗り方によっては冷却性能が低下するリスクもあるため、慣れていない方にとっては不安を感じるかもしれません。
自身でメンテナンスすることに抵抗がある場合は、PC修理の専門店などにCPUグリスの交換を依頼することも一つの方法です。THIRDWAVE(ドスパラ)製のPCであれば、ドスパラのサポートサービスを利用することも可能です。

PCケースを開けるのであれば、静電気対策も必要ですよね。乾燥しやすい冬場のメンテナンスは避けたり、静電気防止手袋などを購入したりなど、何かと面倒です。
インターネット上でグリスについて調べていると「CPUグリスは重要」と言っているグリス重視派の意見と「グリスなんかなんでもいい」と言っているグリスなんでもOK派の両方に出会うかと思います。
この記事では、「基本的にグリスはなんでもOK」という方針で書いていますが、参考のために、ここからはCPUグリスの種類(質)を重視する人と、塗ってさえいれば種類は問わないという人の意見を紹介していきます。
CPUグリス重視派の意見
ファンの回転数は出来る限り下げたいから5℃はでかい

数℃の差でファンが静かになったり、サーマルスロットリングが発動しなかったりということもあるので、たかが数℃、されど数℃ということですかね。
最近のCPUは発熱が凄まじいので、なるべくいいグリスを塗るようにしてる

たしかに。特にIntel製のCPUは熱くなりやすかったりするので、いいグリスで出来るだけ冷却力を伸ばしたいですよね。
CPUグリスなんでもOK派の意見
大事なのは、クーラー自体の冷却能力なので、ぶっちゃけグリスはどれでも良い
ぶっちゃけ、3.5W/m.kと12W/m.kとかの比較じゃなければ、どれも誤差範囲内です。
yahoo知恵袋(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13290349818)
それよりも大事なのは、クーラー自体の冷却能力なので、ぶっちゃけグリスはどれでも良いです。
ほぼ変わらないから変わっても誤差範囲みたいなもんです。

冷却力を根本的に高めるなら、CPUクーラーの強化が手っ取り早いですよね。
2-3度くらいは変わるかと。グリスだけ変えたからよく冷えるという訳ではない
2-3度くらいは変わるかと。
グリスだけ変えたからよく冷えるという訳ではないので、
グリスとクーラーセットで変えて冷やすものです。
yahoo知恵袋(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11281906586)

その数℃が重要かどうかは、使用者や運用環境によって異なるので、何とも言えないのが悩ましいところです…汗
CPUグリスには様々な種類がありますが、スタンダードなグリス(シリコン/ノーマルグリス)と高級なグリス(シルバー/ダイヤモンドグリス)を使用した場合の温度差は、わずか数℃程度です。CPUの発熱を抑える効果はあるものの、劇的な変化は見られません。
したがって、予算に余裕があればシルバーまたはダイヤモンドグリス、そうでなければシリコングリスを選ぶ程度の認識で問題ないでしょう。
しかし、それ以上に重要なのは冷却の要となるCPUクーラーです。いくら高性能なグリスを使用しても、CPUクーラーの性能が低いと効果は期待できません。CPUの熱問題についてあれこれ悩んでいるのであれば、購入時のカスタマイズでCPUクーラーをアップグレードするのが最も効率的な解決策と言えるでしょう。
また、定期的にグリスを塗り替えることで、その効果を維持することが重要です。グリスが劣化すると熱伝導率が低下し、CPUの性能や寿命に大きな影響を与えます。ゲーミングPCを購入したら、グリスの種類に関わらず、こまめなメンテナンスを心がけましょう。
CPUにはハイクラスモデルにも搭載される「Core i7-14700F」、グラフィックボードにはWQHDでも満足に遊べる「Radeon RX 7800 XT 16GB」を搭載したモデル。モンハンワイルズをしっかりと楽しみ切りたい方におすすめです。

CPUには「Ryzen 7 5700X」、グラフィックスにはベーシックな「Radeon RX 7600 8GB」を搭載したモデル。
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