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合皮のゲーミングチェアを使っていると必ずぶつかる「蒸れ」の問題。
私ももう何年も合皮のゲーミングチェアを使っていますが、この問題には常に悩まされてきました。
とはいえ気軽に買い替えるにはなかなかお金のかかる買い物であるのも事実…。まだ使えるゲーミングチェアを買い替えるのはもったいないし、そんなことをするくらいなら新しいゲームを買いたいし、課金してガチャを回したい!
今回は、いよいよ蒸れ問題に耐えられなくなって対策グッズを購入したのでそのレビューも兼ねた「ゲーミングチェアの蒸れ対策」を紹介します。
元・MMORPG GM担当
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当していました。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。
合皮のゲーミングチェアを使っている方であればもうご存知かとは思いますが、合皮のクッションは下記が原因で「蒸れ」が発生します。
- 通気性の悪さ
- 密着性の高さ
言葉で並べると非常にシンプルですが、「蒸れ」の問題を解決するためにはこの2つのデメリットをどうにかして解決しなければなりません。まずはぞれぞれのデメリットをもう少し分解して考えていきましょう。
通気性の悪さ
合皮のゲーミングチェアは見た目の通り通気性がほぼありません。
ファブリック素材やメッシュ素材のように空気の抜ける穴が空いていないため、肌とイスが接している面はとにかく熱も湿気も逃げにくく、自分の体温による温度上昇と汗による湿度上昇のダブルパンチでひたすら蒸し暑くなります。
温度か湿度のどちらかだけでも下げられれば、体感温度も下がって蒸し暑さも軽減されるような気がするのですが…。
密着性の高さ
ゲーミングチェアは長時間座っていても負担が少ないよう、身体との密着性が高くなるように作られています。
この座面のふかふかさは疲れにくいというメリットがありますが、身体が包まれる分、籠もった熱や湿気の逃げ場がなく直接身体に伝わってくるというデメリットがあります。
この密着性を多少犠牲にすれば通気性も確保できて蒸し暑さが軽減されるような気がします。
うーん、改めて見てみても蒸し暑くなる要素しかない気がしてきました…。メッシュ素材を選ばなかった私たちは、残念ながらこの宿命からは逃れられません。それを踏まえて、この「蒸れ」問題を和らげる解決策を今回色々試してみることにします。
解決策を試してみる前に、実際にゲーミングチェアにずっと座っていると表面温度はどれくらい変わるのかが気になったので計測してみることにします。
試しに30分間じっと座って作業をして、その前後の座面の温度を表面温度計で計測してみました。普段は15分くらいでもぞもぞ姿勢を変えていますが今回は頑張って耐えました。
左の写真が座る前の温度、右の写真が30分後の温度です。
座ってるうちに「暑くなってきたな~」とは思っていたのですが、30分後には表面温度が約33℃まで上昇。30分でこれなら、1時間も2時間も座っていたら結構暑くなってそう…
ひとまず今回はこれを基準に、解決策を使うことでどれくらい表面温度が下がるのかを測ってみましょう。
ここからは実際に試してみた解決策3選を紹介します。
「メッシュのゲーミングチェアに買い替える」というような元も子もない解決策は出しません。
まだ壊れていなくて使えるようであれば、まずは新しいチェアを買う1/10くらいの金額で済むこの解決策を試してみることをおすすめします。浮いたお金で新しいゲームでも買いましょう。
さて、今回紹介する解決策は下記の3つです。
結論としては、実際に試してみて一番良いと思ったのは「ゲルクッション」でした。手軽でリスクやデメリットも少なくそこそこの効果が得られたのが一番の評価ポイントです。
一方で「カーシートファン」は効果こそ高く魅力的であるものの、今後私が使っていく上ではデメリットが多く、あまりおすすめはできないと感じました。
「サーキュレーター」はこの3つの中では少し特殊ですが、他の使い道もあるので星2としました。
ここからはそれぞれの詳しい使用感やメリット・デメリットについての説明です。
まず試してみるのは「ゲルクッション」。
ゲーミングチェアの座面の上に直接置くことで、通気性の確保と合皮との密着性の軽減を狙います。
クッションにハニカム型の穴が空いているものが多く、通気性とクッション性が確保されているとのことで選びました。チェアと身体の間に何かを挟むと座り心地が悪くなりそうですが、このクッションなら座り心地もさほど損なわずに使っていけるかもしれません。
商品紹介
というわけで早速手頃な価格のゲルクッションを買って試してみます。
実際に届いたのがこちら。
中を開けると写真ともパッケージとも違う黒いクッションが出てきて面食らったのですが、最初からクッションカバーが装着されていただけのようで、中から写真の通りの青いゲルクッションが出てきました。
青いクッションゲル本体の手触りは固くもなく柔らかくもなく、ただ実際に座るとほどよくお尻を包み込んでくれる感じ。
軽く座っただけでもゲーミングチェア単体よりもじめっとした暑さが少ない気がする!これは期待できそう…
ゲルクッションに30分座ったときの温度変化
というわけで、まずはこちらも実際に30分間座ってみることにします。前後での温度変化はこんな感じでした。
30分座った後の表面温度は31.6℃。チェア単体で座った場合は32.7℃だったので表面温度は1℃以上低い結果になりました!
実際に座っているときの「蒸れ」感はチェア単体より少なく、30分座っていても「まだいけそう」感があります
ゲルクッションを使ってみて感じたメリット・デメリットまとめ
実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを簡単にまとめてみました。
- 座面の「蒸れ」感が減った
- 座面に置くだけなので手軽
- クッション性が高く疲れにくい
- 丸洗い可能
- 効果絶大というほどではない
- 開封したてはケミカル臭がする
「蒸れ」が低減したのは確かに感じられました。座面にポンと置くだけで暑さが少し和らぐので、この手軽さで得られる涼しさとしてはかなりアリだと思います。クッション性もしっかりあって、個人的にはチェアにそのまま座っているときよりもお尻の負担は少なく感じました。
一方で「座面がひえひえになる!」というほど涼しくなるわけではないので注意。手軽に手頃な「蒸れ」低減効果が得られる対策グッズという感じです。とはいえ、普通に床に置いて座布団代わりにも出来るクッション性なので、ゲーミングチェア用途以外でも役に立ちそうなのはかなりポイント高め。
ちなみに開封したては独特のケミカル臭があるので、気になる方は風当たりのよい場所でしばらく放置してから使った方が良いと思います。
全体的に目立ったリスクやデメリットがないのでかなり好印象という感じです
カーシートファンも試してみます。
こちらもゲルクッションと同様に座面に置くタイプですが、内蔵ファンを回すためにUSBで電源が取れるようになっています。通気性が悪いならいっそのこと空気を循環させればいいのでは?ということで試してみることにしました。
商品紹介
というわけでこちらも早速購入。
もともとゲーミングチェア自体が自動車のシートから派生して生まれた一面があるため、カーシート製品とは相性が良いです。この製品もどうも本来は運転中の座面の蒸れを解消するためのようです。
宅配ボックスに入らないくらいの巨大なダンボールでやってきたので、サイズを間違えたかと思って少し慌てたのですが、中を開けると正しいサイズ感の製品が入っていました。ただ、めちゃめちゃシンプルな包装に表面印刷のみの説明書が1枚。
あまりにもシンプルなので最初はだいぶ不安でしたが、実際はファンも機能しているちゃんとした製品でした。よかった…
カバーの中身を開けて構造を見てみると、意外としっかり。
ファンは背中側に5基、手前側に3基、電源を取るUSBケーブルの途中には3段階の風量調整ボタンも付いています。
扇風機のように風を送る感じではなく、PCのケースファンのように吸気して熱を散らすような構造です。
ちょっと気になるのはこのボードが固いプラスチック製で、ボードをしまうカバーもかなり薄手の生地という点。座ると固そうなのが心配です。
カーシートファンに30分座ったときの温度変化
というわけで、こちらも実際に30分間座ってみました。前後での温度変化はこんな感じ。
30分座った後の表面温度は31.3℃。こちらもチェア単体で座ったときの32.7℃に比べて1℃以上低い結果でした。
感覚的にも「蒸れ」が軽減されたのを感じました。というより、空気が循環しているだけあって座面はしっかり涼しいです。お尻の下で循環した空気が座面の前の方から抜け、体感的にはチェア単体はもちろん、ゲルクッションよりも蒸れが減ったような気がします。
とにもかくにも風がちゃんと出ていて涼しいというのが一番の感想です!
カーシートファンを使ってみて感じたメリット・デメリットまとめ
こちらも実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを簡単にまとめてみました。
- とにかく座面が涼しい!
- 電源がUSBで取れる!
- 座面は固め
- ファンの音が気になる
- 振動が結構気になる
思っていたよりもファンのパワーがあるので、しっかりと座面が涼しくなります。30分座ったあとの温度は31.3℃という結果でしたが、数値以上に涼しい印象。
一方で最初の想定通り座面はやっぱり固め。座ると若干しなるのでカチカチではないものの、ゲーミングチェアのクッション性に慣れていると結構気になるかも。
特に私はこれを試す前にゲルクッションを試していたのでなおさら固さが気になりました
また、静かな部屋だとファンの音がかなり気になります。
試しにスマホの騒音計アプリを使ってカーシートファンから発生する騒音を計測してみました。私の部屋は何もない状態では28dB程度の部屋なのですが、ファンの段階を上げるにつれて騒音も数値ではっきり分かるくらい大きくなっていました。
画像では「静かな図書館」とありますが、何もない静かな部屋の中で40dBの音が鳴ると意外と目立ちます。3段階にすると「何か機械が動いている」とはっきり分かるような音。感覚的にはCPU使用率100%で悲鳴を上げているゲーミングPCと同じくらいかそれ以上の排気音という感じ…。
さらに、ファンから発生する「振動」がとにかくマイナスポイント。振動が骨盤を伝わって全身に響くような感覚で、ファンを3段階にするとだいぶ振動します。私は大丈夫ですが、常に弱めのマッサージチェアが動いているような感覚なので苦手な人は気分が悪くなってくるかもしれません。
また、マンション住まいなのでどこまで響くかは検証出来ていませんが、ファンを強くすると振動がゲーミングチェアを経由して床に伝わって床から振動音がするので、階下に人がいる方は1段階で収めておいた方が無難かもしれません。
ただ、デメリットは大きいものの3段階にして座ったときの涼しさは間違いないです。「デメリットなんか気にしない!涼しければいい!」という方は良いかも。
これは私が蒸れ対策として実際に使っていたのですが、サーキュレーターで無理やり涼しくするという手もあります。
ただ、これは紹介と言って提案した手前申し訳ないのですがあまりおすすめできません。
暑さ対策で使うにはほぼずっと風を当てていないと表面温度も湿度も下がらないのですが、風が当たっている身体の体温が徐々に下がっていくため体調を崩す要因にもなります。
私も以前この方法で暑さをしのいでいたのですが風の当たっている面の肌がピリピリとしびれてきたことがあり、危険を感じてやめました…
ただ、話は少しそれますが、ゲーミングチェアの蒸れ対策ではなく足元の熱気を払う目的であればアリな選択肢です。
ゲーミングPCを床に置いている方の場合、PCの排気孔から出る暖かい空気がデスクの下に溜まってしまうことがあります。この暖かい空気を散らすだけでも涼しくなるので、サーキュレーターを首振りに設定した状態で当てるのはアリ。
夏冬問わずエアコンの効きを良くするためにも役に立つので、サーキュレーターを持っていない方はこれを機に安いものでもいいので置いておくと良いかもしれません。
とにかくゲルクッションが無難に一番良かったです。
「涼しさ」という点においてはカーシートファンが一番でしたが、その代わりに受け止めなければならない「騒音」「振動」のデメリットが少し大きめです。
一方でゲルクッションは実際に使ってみてデメリットらしいデメリットが開封時のケミカル臭くらいだったので、蒸れ対策としては一番リスクも少なく手軽に試すことができた印象です。仮にもしあまり効果が感じられなくてもクッション性があり座布団としても使えるので、無駄な買い物になりにくいというのもメリット。
今回購入したものの中では、ゲルクッションが引き続き長く使っていけそうな買い物だったと感じています。
今回の製品レビューは以上です!
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30万円を超えるため予算に余裕のある方向けではあるものの、コスパも非常に良くまとまっており、性能の良いゲーミングPCが欲しい方には一番おすすめできるモデルです。