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ゲーミングPCを購入するとき、あるいは検討しているとき、「何年くらい使えるんだろう」と考えたことはありませんか?
ゲーミングPCに限らず、コンピューター全般にはどうしても寿命や故障がつきもの⋯。とはいえ、故障の兆候をある程度把握していればある日突然対応を迫られるというケースもそこまで多くありません。
今回はそんなゲーミングPC、あるいは使われているPCパーツに関する「寿命」についてのお話です。

ゲームPCラボ管理人
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当していました。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。
最新GPU「RTX5060Ti 8GB」を搭載した、いまイチ押しのおすすめモデル!
CPUには「Ryzen 7 7700」を採用し、メモリとストレージもそれぞれ32GB・1TBを標準搭載しているため、大きなカスタマイズの必要もなく、初心者の方でも扱いやすいモデルです。
「物理的な寿命」なら5〜8年程度

一般的なゲーミングPCの寿命はおおよそ5〜8年程度と考えておくのが無難です。
比較的長時間かつ高温の状態にさらされやすいゲーミングPCは、おおむねこれくらいの年数が経つと電源ユニットや冷却ファン、ストレージなど、何かしらのパーツに不具合が生じやすくなります。
とはいえこれはあくまでも各パーツの一般的な保証期間などを考慮したときの目安。搭載しているパーツのグレードはもちろん、普段どんな使い方をしているか、普段どれくらいメンテナンスをしているかによっても寿命は大きく変わってくるので注意が必要です。

と、ここまで言っておいてなんですが、何をもってゲーミングPCの寿命と言うのかというのは正直難しいところがあります。
まず大前提として、PCはパーツを交換することで理論上はどこまでも寿命を伸ばすことが可能です。
しかし「パーツを交換してまで使うことは考えていない」という方にとっては、何かが故障したタイミング(正確には「手に負えない故障」が起こったタイミング)がPCの寿命であり、そのタイミングがPCの買い替え時ということになります。
「寿命」という言葉を使う方は、おそらく「何かあっても自分で修理できる」というような自作PC勢に近い方ではなく、どちらかというと「いきなり故障したら困る」「何年くらい故障せずに使えるのか」などを懸念されている、比較的ライトな方が多いのではないかと思っています。
今回はそういった観点からも、「物理的な寿命」を「PCの何かしらのパーツが故障しやすいタイミング」と想定し、5〜8年という年数を設定しました。
「性能的な寿命」なら3〜5年程度が目安

一方で、性能的な寿命は3〜5年程度と、物理的な寿命よりも早く訪れます。
「性能的な寿命」とは、ゲームの進化に対してPCの性能が追いつかなくなってしまうことを指します。「数年前のゲームなら問題なく遊べるけど、最新のゲームだと満足のいくフレームレートが出ない」などの症状が主に当てはまります。
どの程度のスペックのPCを購入するかにもよりますが、10万円台前半のエントリーモデルの場合は3年程度で最新のゲーム環境に追いつけなくなる可能性があります。20万円前後の一般的なPCの性能であればおおよそ5年程度が目安となります。

ちなみに「性能的な寿命」の一番の原因はGPUの世代交代によるところが大きいです。CPUも重要ですが、GPUに比べるとあまり大きな問題にはなりません。
実際に、3年前には主流GPUだった「RTX3050」や「RTX3060」が、2025年のいまは低価格帯のゲーミングPCに搭載される格安GPUとなっています。エントリークラスと呼ばれる価格帯で、費用をなるべく低く抑えたい方向けの手頃な価格のモデルに搭載されています。
では、5年前に主流だった「RTX2060」や「RTX2070」はどうでしょうか。比較的軽めのPCゲームであれば推奨スペックを上回っていますが、最新のモンハンワイルズやMecha BREAKなどは推奨スペックを超えられないようにもなってきました。
新たに発売されたRTX50シリーズなどを考えると、今後もPCゲームは進化を続けていくことが予想されます。
その時々のハイエンドモデルならまだしも、ミドルスペック程度の性能であれば遅くとも5年後を目処にある程度の性能的な寿命を迎えると考えておいたほうがよいかと思います。

簡易水冷CPUクーラー(3〜5年程度)
簡易水冷のCPUクーラーはおおむね5年程度が寿命の目安です。冷却液を運ぶポンプやチューブに経年劣化による寿命がやってきます。
劣化が大きく進むとPCケース内での水漏れなどの深刻な事故を引き起こすこともあります。

でも、その劣化したチューブとかポンプとかを交換したらまだ使えるんじゃないの?
と思う方もいるかもしれませんが、そうはいかないところに簡易水冷の難しさがあります。
簡易水冷はほとんどの製品がメンテナンスの必要ない「メンテナンスフリー」を謳っていますが、その代償として強固な構造で簡単には部品の交換ができないというデメリットを抱えています。
基本的には故障したらそこが寿命、簡易水冷はパーツを丸ごと全部交換する必要があるというリスクは認識しておく必要があります。リスクやメリット・デメリットについては下記の過去記事でも少し詳しくまとめています。
電源ユニット(3〜5年程度)
電源ユニットはおおむね3〜5年程度が寿命の目安となります。
ただ、電源に関してはどれくらいの頻度で使用していたか、どんな用途で使用していたかによっても寿命が大きく変わってくるため、あくまでも参考程度の目安となります。

電源ユニットの品質(80PLUS認証)などによっても結構変動しますしね⋯
なお、電源ユニットの寿命はユニット内部のコンデンサが劣化することによって引き起こされます。長時間の使用によってコンデンサが劣化し、電圧が不安定になると、他のパーツにも影響を及ぼすような重大な問題を引き起こす可能性も⋯。
ちなみに、一般的に電源ユニットの劣化が進むと電源を供給するパワーも徐々に低下していきます。「買ったばかりの頃は問題なく動いてたけど、最近は負荷がかかると電源が落ちるようになってきた」というような場合は電源ユニットの劣化が原因かもしれません。
電源ユニットの選び方については過去にまとめたことがありますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください!
ストレージ(SSD:5〜7年 / HDD:3〜5年)
ストレージも常に寿命がつきまとうPCパーツのひとつです。ただ、種類や使用頻度によって寿命は大きく異なります。
一般的に、SSDは書き込み回数(TBW)が規定数に到達することで寿命がやってくるため、使い方によっては7年以上使えることもあります。
一方で、HDDは「磁気ディスク」やディスクに読み書きを行う「ヘッド」などの物理パーツで構成されている特性上、衝撃や振動、経年劣化による寿命(故障含む)のリスクがあります。おおむね3〜5年程度が目安ではありますが、もちろんこちらも使い方によるところも大きく、あくまでも目安です。

ちなみに安定した状況下で長期保存をするなら物理媒体であるHDDの方が適しています。結局、古今東西「記録」は何かに刻みつける形の方が後世に残りやすいという話ですね。

グラフィックボード(グラボ・GPU)
PCゲームにおいておそらく最も重要なパーツであるグラフィックボードですが、それゆえに性能的な寿命を迎えやすいパーツでもあります。
2025年の現時点であれば、たとえばエントリーモデルのゲーミングPCに搭載されている「RTX3050」や「Radeon RX 6600」などは、おおむね3〜4年後を目処に性能的な寿命を迎える可能性があります。
PCゲームの推奨スペックは確実に年々高まってきています。最近でいうと「モンハンワイルズ」が特にその推奨スペックの高さで大きな話題になり、遊べるPC・遊べないPCの明暗がはっきりと分かれました。その後、ゲーミングPCデビューや買い替えによる特需が訪れたのも記憶に新しいです。

特にGTX10・RTX20シリーズの方はかなり厳しそうだった印象⋯。今回モンハンが押し上げたこの基準は、今後少しずつ業界のスタンダードになっていきそうな予感がします。
一方、「RTX4090」や「RTX5080」などのハイエンドGPUの場合は、今後5年以上にわたって快適に使えそうでもあります。ただ、ゲーミング性能としてはまだまだ活躍できる「RTX3080」が、モンハンワイルズにおいては「DLSS3」を活用できずにパフォーマンスを落としてしまったという例もあります。このような最新の技術が世に出てきた場合、また少し違った側面からの性能的寿命に直面する可能性もあります。
なお、グラフィックボードの物理的な寿命は比較的長めではありますが、あまりにも酷使していると劣化が進むことがあります。以前、中古PCについて触れた際にマイニング落ちグラボについて説明したことがありましたが、これはまさに物理的な寿命といってもいいかもしれません。
RAM(物理メモリ)
RAMはそれ自体は劣化しにくいため、「物理的な寿命」に関しては比較的長めのパーツです。どちらかというとメモリは「性能的な寿命」の方に気をつけるべきです。
2025年時点では多くのPCゲームが16GB以上を推奨していて、一部の重量級のタイトルがぽつぽつと32GB以上を推奨とするようになってきています。まだしばらくは16GBでも問題なさそうですが、4〜5年後くらいには32GBが標準となっていそうな気もします。
ただ、メモリは比較的増設が容易なパーツでもあります。容量が不足してきても他のパーツより簡単に延命ができるというのは覚えておくと良いでしょう。

メモリはある程度のスペックのPCだったら32GBを搭載しておくのが無難です。ただエントリーモデルのPCならあまり32GBを活かす機会がないので16GBでも十分かも。
PCパーツの中でも比較的寿命・故障のリスクがあるものに関して、その兆候について紹介します。
簡易水冷CPUクーラー:CPUの温度が下がらない
CPUクーラーの不調でよく見られる兆候は「CPUの温度が下がらないこと」です。
特にPCを起動してそれほど時間が経っていないにも関わらずCPU温度が高いままの場合は注意、冷却機能が正常に動作していない可能性があります。

簡易水冷は基本的に修理できません。下記の応急処置を試してみるのもアリですが、基本的に不具合がでた時点で交換を検討したほうが良いと思います。グリスの塗り直しは少し手間がかかります。
- CPUグリスの塗り直し
- ファンやラジエーター周辺のホコリの清掃・除去
電源ユニット:突然の電源落ち・焦げくさいにおい
電源ユニットは不調になると電源が突然落ちることがあります。
またPCの起動が安定しなかったり、PCの使用中に何かが焦げたようなにおいがした場合も危険。まずは下記の応急処置を試してみることをおすすめします。

とはいえどれも本当に基本的な確認レベルのものにとどまります。電源ユニットは他のパーツの故障も引き起こしかねないので、不調が続くようなら交換推奨です。
- コンセントのタコ足配線を避ける
- 電源ケーブルがしっかり接続されているか確認
- PC内部のホコリの除去
ストレージ:起動・読み込みが遅い、異音がする
Windowsの起動に妙に時間がかかったり、以前よりもファイルのロードに時間がかかると感じたときは、ストレージの劣化も疑ってみましょう。
特にSSDは寿命が近づくと読み書きの速度が低下していく傾向があります。他にもデータを読み込む際に頻繁にフリーズしたりといった症状も危ない兆候です。HDDは異音にも注意が必要です。物理メディアである以上、ある程度の音は発生しますが、不自然に大きい音や聞いたことのないような音が聞こえた場合は劣化が進んでいる可能性があります。

ストレージはとにかく怪しいと思ったら早めにバックアップを取っておくことが重要!壊れ方次第ではデータ復旧ができないこともあります。
- 「CrystalDiskInfo」などでストレージの状態を確認
CPUにはハイクラスモデルにも搭載される「Core i7-14700F」、グラフィックボードにはWQHDでも満足に遊べる「Radeon RX 7800 XT 16GB」を搭載したモデル。モンハンワイルズをしっかりと楽しみ切りたい方におすすめです。

CPUには「Ryzen 7 5700X」、グラフィックスにはベーシックな「Radeon RX 7600 8GB」を搭載したモデル。
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