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皆さんは「レイトレーシング」という言葉をご存じでしょうか?
ゲームグラフィックを向上させる機能で、ゲーミングPCだけでなくPlayStation 5 Proにも搭載されているため、ワード自体は知っているという方も少なくないはずです。
今回はそんなレイトレーシングに焦点を当てた記事をお届けします。システムの特徴や弱点、対応しているグラフィックボードなどをわかりやすく解説していきます。

【監修・執筆者】ゲームPCラボ管理人
KUL
当時ハマっていたMMOが好きすぎてそのまま運営会社に就職、その後ゲーム内イベントの企画やデバッグ・GMなどを担当。今は業界から離れてしまったもののゲーム好きなのはずっと変わらず。
社会人になりたての頃に何もわからないまま購入したゲーミングPCで失敗…。最近周囲でゲーミングPCを検討する人が増えてきたこともあり、自分と同じ失敗をしてほしくないという思いからこの「ゲームPCラボ」を立ち上げました。

【執筆者】ゲームPCラボ ライター
ベル塚ベル
ゲーム関連の雑誌・書籍、そしてWebサイトを中心に執筆活動を行うフリーライター。生粋のゲーマーであり、仕事もプライベートもゲーム三昧。
Steamで頻繁にゲームをプレイすることから、ゲーミングPCにも精通しています。その知識と経験を活かし、読者の皆さんがより快適にPCゲームを楽しめるような情報をお届けします。

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ゲーム映像を実写に近づけるレンダリング技術のこと
「レイトレーシング」は”光を用いて、現実世界のようなリアルな光景を作り出すレンダリング技術“です。
そもそもレンダリングとは、3Dの情報をディスプレイ(モニター)で見られるように、ピクセル(色情報)の集合体である画像へと変換する作業のことです。
レンダリングには多くの技術がありますが、ゲーミングPCに搭載されているGPUは、基本的に「ラスタライズ」という手法によって3Dグラフィックを描画しています。

これは、3Dポリゴンをピクセルに分解し、物体の表面に貼る模様や質感の画像(テクスチャ)を組み合わせた色塗り(シェーディング処理)を、光の当たり具合を計算する「ライティング演算」と組み合わせ、画面の点ひとつひとつの色を決定するプログラム(ピクセルシェーダー)で行い、3Dグラフィックへと変換したうえで、我々の目に映すという仕組みです。
カメラ(視点)から見えない部分(キャラクターの背中など)の処理を省き、光源からの直接的な光がもたらす表現のみを描画するため、作業の手間が減り、その分処理が軽量化されます。

間接的な光や反射による描写など、ラスタライズによって反映できない部分は、物体に光を当てて輪郭を強調する「リムライト」や、空間上の1点から全方向に光を放つ光源「ポイントライト」などの技術を併用して補うこともあります。これらを駆使することで、早い処理でそれっぽいリアルな表現が可能になるのです。

ただし、ラスタライズ以降の技術は、制作段階で手作業による追加が必要になるため、時間やコスト、精度などさまざまな面で限界があります。

このあたりはクロマキー撮影(GB撮影)がイメージしやすいかもしれません。現実では背景のグリーンの反射光で被写体の輪郭も緑っぽくなりますが、3Dでは何か特別な作業をしない限り、この反射光は再現されません。こういったリアルな反射表現が難しいというのもラスタライズの欠点です。
対するレイトレーシングは、カメラ(視点)から光の線を放ち、3Dポリゴンの情報を追跡・解析して必要な情報をピクセルに反映しながら3Dグラフィックへと変換します。間接的な光や光の反射・屈折など、現実と同じような現象もシミュレーション(計算)するため、リアルで美しいグラフィックを表現できるのです。
同時に、ラスタライズ単体では描写できなかった部分もシステム側が担ってくれるため、制作段階での人間の作業量も減ります。その反面、処理の重さが難点と言えます。

光の線(レイ)を追跡(トレース)することから「レイトレーシング」と呼ばれています。
ふたつの技術を組み合わせたのが、リアルタイムレイトレーシング
レイトレーシングを即座に画面へと反映する技術が、「リアルタイムレイトレーシング」です。おもに「NVIDIA GeForce RTX」シリーズや「AMD Radeon RX」シリーズといった、ゲーミングPCで重用されるグラフィックボード(以下、GPU)に搭載されています。
名前だけ見ると、レイトレーシング単体を用いた技術に見えますが、実際は異なります。メインとなる3Dグラフィックはラスタライズで描き、光や影など細部の描写にはレイトレーシングを用いるといった具合に、それぞれの長所を組み合わせた仕組みになっているのです。

PCユーザーのあいだでは、しばしばリアルタイムレイトレーシングのことを単にレイトレーシングと呼ぶため、本記事ではGPUが持つリアルタイムレイトレーシングをレイトレーシングと呼称します。
具体的にどういった変化がグラフィックに現れるのか?
レイトレーシングの機能をオンにすることによって以下の描写表現がパワーアップします。
- 水たまり、車のボディ、窓ガラスなどに映る周囲の景色
- 光源からの距離や角度に応じて変化する影の濃さや輪郭のぼやけ方
- 窓から差し込む太陽の光が壁に反射して部屋全体を照らす描写
- 屋外と屋内を出入りしたときの光の変わり方
ゲームのグラフィックが綺麗になるだけでなく、現実のような、または映画のような臨場感あふれる雰囲気が生まれ、これまでにない没入感を味わえるようになるのが大きな魅力です。

たとえば鳴潮ならこんな感じ↓になります!


もっと違いを知りたい方は、NVIDIAの公式サイト内にあるGeForce RTXシリーズの機能紹介ページをぜひ見てみてください。レイトレーシングによるグラフィックの違いがひと目でわかります。
GPUとゲーム、双方が対応していないと使えない
大前提として、レイトレーシングはGPUとゲームの両方が対応していないと使えない技術です。
昨今のゲーミングPCに搭載されているGPUには、基本的にレイトレーシングが標準搭載されているため、気をつけなければならないのはゲーム側です。数多く存在するPCゲームの中で対応しているのは、「ELDEN RING NIGHTREIGN(エルデンリング ナイトレイン)」や「モンスターハンターワイルズ」「バイオハザード レクイエム」「ファイナルファンタジーVII リバース」「鳴潮」など、近年リリースされた大型タイトルに限られます。
また、近年の大型タイトルでも「NVIDIA社のアップスケーリング技術“DLSS”は使えるが、同社のレイトレーシングには非対応」というケースもあり、必ずしもすべてのタイトルで使えるわけではありません。

レイトレーシングを用いてプレイしたいのであれば、GPUやゲームの公式サイトを事前にチェックしておきましょう。
さらにリアルを追求した、パストレーシング
パストレーシングは、レイトレーシングの上位版です。
いずれもカメラ(視点)から光の線を飛ばすという部分は同じですが、レイトレーシングは必要に応じた光の計算のみを行うのに対し、パストレーシングは画面内にあるすべての光の計算を行います。
そのため、レイトレーシングがカメラから光線を発して、美しいと言われているレイトレーシングよりもさらに現実的で美麗な光と影の描写を体験できるのです。

料理にたとえると、レイトレーシングはメインディッシュのみを料理長が作り、残りをほかのシェフが担当。一方パストレーシングは、フルコースすべてを料理長が担当するといった感じです。
なお、パストレーシングに対応しているタイトルは少なく、レイトレーシングほど身近な存在ではありません。今後、対応タイトルが増えていくことで、より身近なものになっていくはずです。
レイトレーシングの弱点は、利用することでフレームレート(FPS)などに影響を及ぼす点です。
前述のとおり、高速で処理できる主流のラスタライズと異なり、レイトレーシングは光の見え方や影の映り方を細かく計算するため、GPUにかかる負担はかなりのもの。FPSが低下し、快適性を損なう可能性もあります。
そのため、レイトレーシングはおもにフレーム生成機能を持つアップスケーリング技術(DLSSやFSR)と併用するのが一般的です。
ただし、マシンスペックを大幅に上回る重量級タイトルの場合は、アップスケーリング技術を併用してもなおFPSが60を切ってしまうこともあるため、プレイ環境によってはレイトレーシングを使用しないことも視野に入れなければなりません。
当然ですが、パストレーシングの場合はさらにGPUへ負荷をかけることになるため、よりスペックの高いマシンが必要になる場合もあります。

さらに技術が進化すれば、FPSにほとんど影響を与えないレイトレーシングが誕生するかもしれません。今後の発展が楽しみです。
レイトレーシングは必要?
“光や影の描写にこだわりがあるかどうか”。レイトレーシングが必要かどうかは、これに尽きると思います。
アップスケーリング技術が持つフレーム生成機能と異なり、あくまでグラフィックをさらに美しくするための技術であるため、ゲームプレイにおいて何らかの優位性を与えるものではありません。さらに言えば、レイトレーシングによってリアルになりすぎたがゆえに、「画面酔いしてしまった」という人も少なからず存在します。
また、レイトレーシングがなくても十分に綺麗な領域には達しているため、オンにしなければゲームの魅力が薄れるというわけでもありません。
そのため、「光や影をリアルに反映した極上のゲームグラフィックを楽しみたい」というこだわり派の方以外は、レイトレーシングまたはパストレーシングはオフでも問題ないでしょう。

とりあえずオンにしてみて、FPSに支障が出たり、酔ったりするのであれば、オフにするというスタンスでもよいと思います。
GeForce RTX20シリーズ以降
2018年9月に発売されたGeForce RTX 20シリーズから、レイトレーシングへの対応がスタートしました。「RTコア」や「Tensorコア」と呼ばれる新しい演算器の搭載が、これを可能にしています。
もともとNVIDIAは、以前から「Quadro RTX」シリーズにてリアルタイムレイトレーシングを実現していましたが、このシリーズは業務用のGPUであり、個人向けのものではありませんでした。それを一般ユーザーがゲームで使えるように落とし込んだのが、GeForce RTX 20シリーズなのです。
Radeon RX6000シリーズ以降
AMDのRadeon RXシリーズがレイトレーシングに対応し始めたのは、2020年11月に発売された「Radeon RX 6000」シリーズからです。
GPUに搭載された「レイ・アクセラレーター」と呼ばれるハードウェアユニットによってリアルタイムなレイトレーシングを実現。これによりGeForce RTXシリーズに比肩するグラフィック性能を獲得しました。
Intel Arc シリーズ
2022年に発売されたIntelのゲーマーおよびクリエイター向けGPU「Intel Arc シリーズ」も、レイトレーシング機能を備えています。
Intelと言えば、「Core プロセッサー」や「Core Ultra」といったCPUが有名ですが、実はGPU分野にも進出しているのです。
ただし、ゲーミングPCの多くはGeForceまたはRadeonを搭載しており、市場でIntel Arcを搭載したマシンを見かけることは稀です。
これからゲーミングPCを買う人は気にしなくてもOK
現在市場で販売されている新品のゲーミングPCに搭載された、「GeForce RTX 50」シリーズ、「Radeon RX 9000」シリーズ、「Intel Arc」シリーズといった主流のGPUは、すべてレイトレーシングに標準対応しています。購入するにあたって、GPU側が対応しているかどうかを心配する必要はありません。ただし、ゲーム側も対応していないと使えないため、そこは事前の確認が必要です。
また、「レイトレーシングなどの機能を使うなら、どのメーカーのGPUを買うのがいいのか」。これについては、マシンスペックやPCケースのデザイン、価格を加味して、お好みのものを選べば問題ありません。
強いて言うなら、現状はNVIDIAまたはAMDがおすすめです。そもそも「Intel Arc」シリーズを搭載しているモデルが少ないことからもわかるとおり、IntelはGPU市場においてはまだまだ新参であり、前述の2社と比べて発展途上の段階にあります。細かな部分で性能に物足りなさを感じることもあるでしょう。

ちなみに、市場調査会社「Jon Peddie Research」(JPR)が公開した2025年第4四半期のGPU出荷台数シェアのレポートによると、NVIDIAが94%、AMDが5%、Intelは1%という結果でした。

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